今回はレザークラフトで使う代表的な接着剤である、ゴムのりについて説明します。
レザークラフトをやっていくうえで使用する機会の多い材料で、作品の仕上がりにも大きく影響するので、特徴や使い方を理解しておきましょう。
- ゴムのりの特徴
- ゴムのりの使い方
- 圧着するための道具
- きれいに塗るコツ
目次
ゴムのりの特徴
主な成分
ゴムのりは天然ゴム系の接着剤です。
有機溶剤のため、長時間密室で使用することはお勧めできません。
使用する際は適度な換気を心掛けましょう。
主な用途
主な用途としては
- 革と革の仮止め
- ファスナーと革の仮止め
- 型紙の作成
などがあります。
ほかの接着剤との違い
レザークラフトで使用する接着剤は、ゴムのり以外だと合成ゴム系のものやサイビノールなどの白ボンド系の接着剤があります。
ゴムのりはこれらの接着剤に比べて、接着力は弱めになります。
これはデメリットではなくむしろゴムのりの特徴であり、メリットでもあります。
適度な接着力があり広範囲に塗りやすいので仮止めに適しています。
縫製する前にがちがちに接着する必要はありません。
ゴムのりは接着後も手である程度簡単にはがすことができるので、やりなおしがききますし、のちのち革製品を修理するときもゴムのりならはがしやすくきれいに直すことができます。
また広範囲に塗りやすい特徴から、型紙の作成にも使用します。
型紙をパソコンで作ったり、ダウンロードしたものを使用する際、プリントしたものを厚紙に張り付けるために使います。
スティックのりなどで張り付けると紙が水分を吸ってしまいしわになってしまうことがありますがゴムのりならきれいに張ることができます。
レザークラフトにおいて型紙はとても重要で、1ミリのずれが作品に大きく影響するのでゴムのりを使用することをお勧めします。
ゴムのりの保存方法
ゴムのりは揮発成分があり、使用していくうちにだんだんと固くなってしまい、使用しにくくなってしまいます。
これを防ぐためには購入した時の缶から瓶などに小分けにして使用し、できるだけふたを開ける回数を減らすことが重要になります。
おすすめなのは蓋が二重になってるものがおすすめです。
使わないときは二重に蓋をしておいて、使用中は内蓋のみを使用することで効率よく作業ができます。
ゴムのりの使用方法
張り合わせたい両面に塗る
ゴムのりは片面に塗っただけでは接着できません。
張り合わせたい両面に塗ることで接着力が生まれます。
先ほども言った通りゴムのりが揮発しないように蓋を開けてゴムのりをヘラですくい、すぐにふたを閉めましょう。
そうしたら接着したい面に薄く塗布します。
小さいヘラと大きいヘラ、二つ用意しておくと使いやすいです。
乾くまで待つ
塗布出来たらすぐ張り付けたくなってしまいますが、ゴムのりは乾いてから接着するタイプになります。
目安としてはゴムのりを塗った部分を手で軽く触って、引っ付かなければ張り合わせても大丈夫です。
張り合わせる
接着する場所に合わせて張り合わせ方も変える必要があります。
・コバを張り合わせる…縫製前に革の端部分にのみゴムのりを塗布して張り合わせるやり方です。
端から5ミリほどを目安に薄く塗ります。ゴムのりを厚く塗ってしまうと、コバを磨く際にゴムのりの層ができてしまい見栄えが悪くなります。
・曲げ張り…革が曲がっている状態で張り合わせるやり方です。
腕時計のベルトなど常に曲がっている状態のものを作るときに使用します。
理由は平らに張り合わせた後に革を曲げてしまうと曲げた内側の革にしわができてしまったり、外側の革が突っ張って曲がらなくなったりするのを防止するためです。
・浮かせ張り…曲げ張りとよく似ていますが、違うところは曲がる部分のみゴムのりを塗らずに周りを接着する点です。
手帳カバーや財布のフラップなど曲がったりまっすぐになったり、可動する部分で使います。
圧着する
ゴムのりは張り合わせてから圧着をすることでしっかりと固定されます。
圧着するための道具は主に三種類ほどありそれぞれ使用する箇所が異なります。
・ハンマー…おもにコバの接着や、革ひものどの接着に使います。
革をたたいた時に傷がついてしまわないように角がとってあるものを選びましょう。
・ヤットコ…革を並行に挟むことができる道具です。
こちらもコバの圧着に使用します。ハンマーを使うことができない狭い場所を圧着したいときに便利です。
ただハンマーよりも力が入りやすく跡が残ってしまうことがあるので、挟む場所を革で保護しておくのがおすすめです。
・ローラー…こちらは広い面を圧着したいときに使用します。
広い面を張り合わせるときはゆがみができやすいので、最初は手で全体を合わせてからローラーを使って接着しましょう。
ゴムのりを綺麗に塗るコツ
綺麗なヘラを使う
使用後のヘラはゴムのりのかすがついてしまっていることがあります。
ゴムのりを救う前に、余分なカスを取り除いておきましょう。
乾いていれば手で簡単に取り除くことができます。
硬くなったゴムのりは使わない
先ほども言いましたがゴムのりは揮発成分を含んでおり、時間がたつにつれて硬くなってしまいます。
硬くなったゴムのりをそのまま使用してしまうと、うまく塗ることができずだまになってしまったり、コバにボンドの層ができてしまったりします。
硬くなってヘラですくいにくいと感じたら、残りは使わずに新しいゴムのりを用意しましょう。
ゴムのりを柔らかくするための溶剤も販売されているのでそちらを活用するのもいいと思います。
吟面に塗るときは荒らしてから塗る
吟面や床面でもオイルを多く含んだ革を接着するときはゴムのりをただ塗っただけでは簡単にはがれてしまうことがあります。
そういった際は刃物の先端などで革の表面を荒らしてからゴムのりを塗りましょう。
刃が悪くなってしまうので専用の革包丁を用意するか、カッターナイフなどで荒らすのがおすすめです。
まとめ
今回はゴムのりについて解説しました。
ポイントは、
- 両面に薄く塗る
- 乾いてから張り合わせる
- 場所に合った道具で圧着する
- 新しい(硬くなっていない)ゴムのりを使う
以上を守ればきれいに接着ができると思います。