みなさんはレザークラフトで革を裁断する際、どのような工具を使っているでしょうか?
日本の革職人さんは革包丁を使うイメージがありますが、革を切る道具はほかにもいくつかあり、職人さんも用途に合わせて使い分けています。
今回は革を裁断する道具はどんなものがあるのか、メリットデメリットふまえて紹介していきます。
- 裁断道具、何を買うか迷っている方
- ひとつの道具しか使ったことがない方
- 革包丁以外の裁断道具を知りたい方
裁断道具一覧
まずは裁断道具の種類と特徴を、表で説明していきます。
種類 | 切れ味 | 革漉き | 曲線の裁断 | 手入れ |
---|---|---|---|---|
革包丁 | ◎ | ◎ | ○ | △ |
カッターナイフ | ○ | △ | ◎ | ◎ |
別たち | ○ | △ | ○ | ◎ |
ラウンドナイフ | ◎ | ◎ | ○ | △ |
ひとつずつ詳しく解説していきます。
それぞれの特徴
革包丁
革細工と言ったら革包丁を使うというイメージを持っている方も多いんじゃないでしょうか?
直線の裁断だけではなく、曲線の裁断や、漉き作業などさまざまな用途があり、革の職人さんで革包丁を持っていないという方はいないと思います。
幅が広い革包丁では、コーナーのカットが少しやりにくいですが刃の一方を固定し、刻むように切ることで、きれいに切ることができます。
そのような万能に見える革包丁ですが、デメリットもあります。
ひとつは扱いが難しいということです。刃の形が独特でまっすぐに切るにもコツがいります。
漉き作業なども練習が必要で慣れるまで時間がかかりますが、その分使いこなせればとても優秀な道具です。
もうひとつは、メンテナンスが難しいという点です。革包丁の切れ味を最大限に発揮させるには定期的な研ぎが必要になってきます。
この研ぐという作業もなかなかコツがいり、間違ったやり方で研ぐと、刃の角度が変わってしまったり逆に切れ味が悪くなってしまうこともあります。
ですが、革包丁を研ぐための治具も売っているのでそれを使えばある程度簡単になります。
こちらの記事で研ぎ方の解説をしています。
お手軽に作れて革包丁の切れ味がアップする革砥の作り方についてこちらの記事で説明しています。
カッターナイフ
つぎは皆さんもなじみのあるカッターナイフです。
カッターナイフでも1.5ミリ以下くらいの薄めの革なら問題なく切ることができます。
直線をまっすぐ切るのは少し難しいですが、角度がきつい曲線やパーツの内側をくりぬく際は、他の刃物よりも使い勝手がいいです。
ただ、厚い革を切ることや、漉き作業などは難しいので、カッターだけで作業を行うのは難しいと思います。
また切れ味が悪くなった際に、刃を付け替えるだけで新品の切れ味に戻る点も、メリットにあげられます。
別たち
別たちとは、革包丁とカッターナイフの中間のような道具で、見た目は革包丁の形ですが、カッターナイフのように刃を交換することができます。
そういうと良いとこどりのように感じますが、デメリットもちゃんとひきついでいます。
革包丁ほどの切れ味はなく、漉き作業も難しいですし、カッターナイフほど小回りもききません。
おすすめの使い方は型紙の作成時に使うことです。
真っ直ぐ切るのは得意ですし、型紙ほどの厚みであれば、小回りもききます。
安価に手に入れられるのも嬉しい点です。
革包丁だと安くても3000円ほどしますが、別たちであれば500円ほどで買うことができます。
ラウンドナイフ
欧州では一般的に使われている裁断道具です。
半月状の刃をしていて、革包丁とは違い押して切ると言う特徴があります。
性能も革包丁と似ていて、裁断、漉き、曲線のカットなど様々な用途があります。
独特の刃をしているので研ぎが大変そうですが、以前使っている人の記事を見た際に、そこまで難しく無いとおっしゃっていました。
僕自身使ったことがないので、一度は使ってみたいなと思っています。
あと見た目がかっこいいですよね!笑
おすすめの組み合わせ
革包丁とカッターナイフの組み合わせで使うのがとてもおすすめです。
厚い革の裁断や、漉き作業などは革包丁で行い、薄い革や、細かい部分のカットをカッターナイフで行うことで、それぞれの短所を補うことができます。
プロの方で自分の道具を公開してらっしゃる方も見かけるのでそういった方を参考にするのもいいと思います。
あとがき
道具によって得意なこと苦手なことを理解して使い分けていくのが重要だと思います。
ぜひ自分のスタイルに合った道具を見つけてください。